P&Gの企業分析・株価分析

これまた米国株で配当銘柄とかバフェット大好きという方がときどきツイッターなどでつぶやく超有名企業P&Gについての企業分析および株価分析をしてみた。

販売商品カテゴリ

日用品大手のP&Gはどのような商品カテゴリを持っているのかをまず確認しよう。
主には以下の通りだ。
Beauty・・・主にシャンプー・コンディショナー。 H&Sなど
Grooming・・・剃刀系。ジレットやブラウンなど
Health care・・・歯磨き粉やのど飴。 VIcksなど
Fabric&Home Care・・・洗剤や芳香剤など。 アリエールやファブリーズ
Baby、Feminine& Family Care・・・赤ちゃん用品や家庭用品 パンパースなど

こう見るといずれも知っている商品というのが非常に多いし、ビジネスもこれらがどれだけ売れたかによって利益が決まることも想像しやすいだろう。

商品別内訳

主力はおそらく紙おむつ・洗剤・シャンプーだろうなと想像できるけど、その他商品カテゴリもなんだかんだで税引き前で利益率が2割以上あるわけで、これはこれでほんと四角がないなと感じる。

地域別販売状況

4割ぐらいが米国、インターナショナルも内訳見ると欧州が多く、米国+欧州で大体売上高の7割近くを占めている。
ここにアジア・中国・中東・中南米・アフリカと7%前後ぐらいの比率存在している。
先進国はこれ以上日用品の売上が増えるということは少し考えずらいので、今後の売上成長のメインはやはり新興国だろう。
しかし足元で新興国の景気は良くないことを考えると、ちょっと売上は伸ばしずらい環境であることは間違いないと思われる。

損益計算書

実際に売上高(トップライン)を見ると2015年以降ほとんど変わっていないことがわかる。(3行目)
しかも2015年に至ってはベネズエラ経済がマドゥロ政権のせいで崩壊したことからP&Gもビジネスを放棄せざるを得なくなり、ベネズエラの売上がゼロになったことも痛い。(6行目)
足元では年率売上高がまあ1-2%ずつぐらいまあ増えているかもねとかそういうレベルしかないので、何か劇的な変化があるか新興国景気が回復してこないと年率売上高成長はこのぐらいと見積もっておくべきではなかろうか。

財務内容および指標

財務内容は自己資本比率は40%を維持していることに加えて、利払い能力は利払いに対して20倍以上の利益を出しているのでほぼ問題ないだろう。(127、128行目)
ネット有利子負債も自己資本の0.4倍ぐらいしかなく、安定的なCFを稼ぐ企業にしてはかなり財務に気を使ったレバレッジを維持しているなと感じる。(126行目)
のれんが比較的大きく見えるが、これは2003-2005年に買収した随分古い案件で、その内容はウエラ(ペットフード)、ジレット(髭剃り)で、ジレットが大半を占めている。(89行目)
それを鑑みるとまあすぐに減損かかることはないかなあと思う。

キャッシュフロー表

キャッシュフローを見ると営業CFは年間150億USDでここ数年はほとんど変化なし。(44行目)
そこから投資CFが年間35-50億USDぐらいでるので、残りの100-115億USDがフリーCFとなる。(55行目)
直近年では買収も行ってはいるものの、会社の図体からしたら大したことないレベルにように思われる。
そしてそのフリーCFのうち75億USDを配当、残りを40-60億USDを自己株買いに使っている。(57、61行目)
今までP&Gは販売商品のラインナップ拡充と販売地域の拡大によって利益を伸ばし連続配当増加を記録してきたが、足元ではトップラインが伸びていないことから営業CFが伸びず、配当をここからさらに増やすというのが難しいように見えてきている。
もちろん自己株買いを減らして配当を引き上げるという小手先テクニックはあるかもしれないが、それをプロ投資家が見るとかなりこの会社も株的には限界があると認識してしまうだろう。

以上を踏まえて株価バリュエーションを確認したい。

PER

足元の株価でいうと配当利回り2.5%+自己株買い1.5%=総還元率4%。
そこからトップラインが1-2%伸びて、純利益がまあ甘めに見積もって3%伸びるかなとかそういうレベルか。
P&Gの製品の特性上突然売れなくなるというリスクは低いものの、自己株買いも含めたEPSの伸び率はおそらく2-5%の範囲、そこに配当利回りが2.5%つくぐらいという見積もりが妥当な範囲ではなかろうか。
そう考えると以前分析したコカコーラと評価はほとんど変わらないなあとしか思えない。

株価チャート

過去5年でいうと自己株買いでしかEPSが伸びない中、直近の無株価上昇はほとんど米国債利回りの低下による配当株のバリュエーション評価が変わった程度の意味合いしかないだろう。
そう考えると足元の株価バリュエーションは少なくとも割安ではないという評価ができると思われるし、トップラインの上昇が止まった時に果たしてPER26倍というが正当化できるのかどうか疑問である。