ホームデポの企業分析・株価分析

ホームデポ株どうですかねという人がいたので、そういえばそんな銘柄あったなということでちょっと分析してみました。

まずは銘柄概要から。
ホームデポは米国最大のホームセンターであるが(全米で2000店舗近くある)、日本のホームセンターのイメージとは全然違うものである。
ちなみにカナダにも120店舗ぐらいあるが、売上の10%以下しかないということもあり、この分析ではばっさり省略する。

ホームデポ店舗

米国では人口密度が高い都市部ならともかく、大半の郊外より外側の家は映画に出てくるようなだだっ広い家がメインだ。
そして ホームデポの売上は主に中古住宅販売動向に左右されると一般的に言われており、その理由として米国では住宅市場というのは圧倒的に中古住宅市場が大きく、新築の5-6倍もの市場規模があるからだ。

米国中古住宅販売統計

米国人は自宅を資産として手軽に売買したりするということもあり、DIYで家を手入れするというのが基本的な価値観にある。
そしてそういったDIYに必要な道具というのはどこでみんな買っているかというとホームデポなのである。
しかもDIY道具自体は一度触ってみないと良いのかどうかよくわからないというところもあるのか、通常の小売りのようにEコマースに食われているかというかというとどうやらあまりそんな気配はない。
DIY道具を買うならホームデポというのがいわゆる米国人の常識であり、生活必需なのである。

ではホームデポの損益計算書を見てみよう。

ホームデポの損益計算書

ここもと中古住宅販売の伸びが鈍化しているということもあり、売上の伸びは数年前と比べてやや鈍化傾向にあることは確かだろう。(4行目)
ただそれでもベースとなるDIY需要はしっかりしているということもあり、ゆるやかながら売上は伸びていっているというのが見て取れる。(大体一桁半ば%ぐらいの年率伸び率)
また純利益率はほとんどが米国内売上ということもあり、トランプ減税の恩恵を全面的に受けられるところもポジティブな要因である。

財務諸表はかつては自己資本比率が5割以上あったのだが、米国企業でありがちな株主還元を大量に行った結果債務超過になっているのが見て取れる。(105行目)
しかし、よくM&Aを行う米国企業の中では珍しくのれんや無形固定資産というのは資産全体の割合からすると非常に少なく、資産のほとんどは店舗・在庫・売掛金で構成されている。(80行目)
また、有利子負債については債務超過であるものの、営業CFのたった二年分ぐらいしかないということもあり実は株主還元を一旦ストップさせれば余裕で有利子負債を返済できるので、格付けはAとまあ普通はデフォルトしないよねと思われている企業という認識で良いだろう。(108行目)
あとは粗利益率および営業利益率がほとんど年度ごとに変化がないので、こういうところからEコマースの影響はあまりうけず、一定の需要が続いているなと感じる。
(ただあまりにも粗利益率が一定すぎるので、ちょっと粉飾していないかと疑いたくなるところも・・・(118行目))

キャッシュフローは非常に安定しており年間130億USDもの営業キャッシュフローを稼げる力がある。(43行目)
そのうえ、既に既存店舗の数は膨大にあることから店舗投資などはそんなに大きくなくてよいため、投資CFはせいぜい年間25億USD程度だ。(50行目)
そして差し引き105億USDはほぼ全て株主還元に使われる。(51行目)
足元は140億USD払っているが、債務超過なことを考えると少し株主還元はスローペースになる可能性はある。
ただそれでも配当利回り2.5%+自己株買い3-4%ぐらいが狙えるだろう。
そこにEPS上昇率が年4%ぐらいつけば、トータルの年間期待リターンは10%ぐらいにはなるだろう。
加えて米国自体はまだ労働者数が増加していることを考えればその分だけホームデポの売上が増えることが期待できるので、安定成長株としての側面はかなり強いような気がする。

ホームデポ株のPER

足元の株価バリュエーションはPER22.5倍近辺と個人的にはフェアバリューと思っている。
別に割高でもないし割安でもないぐらいの株価位置だと思う。
過去の株価値動きを見るとホームデポのPERの許容最大値は26倍ぐらいであるのは明白なのでまあまだ上昇余地はあるんじゃないのぐらいの感覚を個人的には持っている。
ただし一点注意したいのが商品のうちどれだけを中国から輸入しているかということにあり、トランプ大統領がホームデポの商品にかかわる関税引き上げがあった場合は、業績にダメージが出るかもしれないことは頭に入れておいた方が良いだろう。

ホームデポの株価動向