マッチグループの企業分析・株価分析

少し今回は異色の会社の分析をしてみようと思う。
今回分析してみるのはマッチグループ。
会社の名前だけだと聞いたことねーぞという人がほとんどだと思うが、ティンダー・ペアーズやっている会社というとあーなるほどねーという若い人は多いと思う。

損益計算書

2015年までは売上高は年率1割程度の伸びで純利益の伸びも実際のところ並みというレベルであった。
しかしティンダー・ペアーズの爆発的ヒットに伴ってここから一気に売上および利益成長が加速していきたった3年で売り上げは倍、利益は3倍もの金額になった。

ティンダーユーザー数

ティンダーの平均サブスクライバーは四半期ごとに10%ずつぐらい伸びているので、年率で40-50%ぐらい伸びる計算になる。
というかティンダーユーザーって523万人もいるんでっか。

ユーザー数を見るとティンダーが半分、その他ペアーズ・タップル・Omiaiなどが残りだろう。
これを見るともしかするとマッチグループが新しく出てくる出会い系アプリを片っ端から買収しているんじゃないかとも思う。
足元ではおひざ元の米国よりも米国外の伸び率が非常に高い。

一人当たり課金金額は大体四半期で60円ぐらい。
大体想像すればわかるけど、この課金している客というのはほとんどが男性側であろう。
女性側は正直可愛ければ大したことしなくてもいくらでもマッチングできる一方で、男性側は試行錯誤しないとなかなかお目当ての女性をゲットするのは難しいというのが友人がやっているのを見る限り思うところである。

単価自体は大体年3%ずつぐらいの上昇なので、ユーザー伸び率40-50%+ARPU3%ぐらい売上高が毎年上昇していくという計算に足元ではなっている。

キャッシュフロー表

キャッシュフロー表を見ると2014年・2015年に大きめの買収(多分ペアーズの買収)を行ったが、それ以来は営業CFに対して大したことないレベルでの投資しか見当たらない。
そりゃスマホアプリでサービス提供するだけならサーバー強化以外の投資なんてそんな投資なんていらないですよねというのはなんとなく想像がつくと思う。
ただ、財務CFを見てもらうと純資産に対してとんでもない量の配当金の支払いを最近しており、自己資本があっという間に消滅しそうという状態にある。
これはティンダー・ペアーズの成功をいいことにものすごい胡坐をかいているんではないかと危惧する。

財務諸表

財務についてはなんか男らしいというかなんというかという内容だが、資産の大半が無形固定資産だ。
これが意味することはティンダー・ペアーズのアクティブユーザーが減少したら減損くらって即アウトということだ。
今のところ営業CFが6億ドルかせげる会社なので、配当払わなければ借入金も3年ぐらいで返せる計算だけどティンダーとペアーズのユーザー数が減少あるいは課金しなくなると突然キャッシュフロー創出源がなくなるのでいきなり行き詰まる可能性が高い。
格付け会社Moody’sの格付けはBa3と、足元の現金同等物の少なさや競合出現リスク・規制リスク・アップストアからBANされるリスクも考慮するとまあ納得の格付けといったところではなかろうか?

さてバリュエーションはどうだろうか。

PER

今年の利益水準からのPERは48倍・・・ 
ちょっと出会い系アプリというだけの会社に48倍というのは払いたいかと言われるとかなり悩むところである。
実際ティンダー・ペアーズは売春の温床になっていることは間違いなく、レピュテーションリスクといったものや、昔から出会い系サイトなんていくらでもあるわけで、似たようなライバルがこれから出てこないということも考えにくく、47倍のリスクを冒して投資したいかというと個人的にはちょっときついかなと思う。
あとはこの手のアプリ系企業はAppストアからBANされると死ぬほど株価が下がるので、それだけは本当に気を付けた方が良い。
ただスマホとGPSさえあれば設備投資なんてなしで世界中にサービスを提供できるわけだから、世界中の若い男女が使ってくれるなら、業績的にはまだまだ拡大余地ありで、株価が下がったら買いたくなるような気もする(PER30倍台なら)。

というかティンダーとかペアーズに課金してる人なら、マッチグループの株買って課金してれば無限サイクルが完成するんではないかとしょうもない発想もあったり。

株価チャート